それ以外に株主の権利の一部を制限した株 (種類株) が発行されています。
金融システムの安定化を目的に国が銀行に資金投入したときには、銀行が「優先株」を発行し国が買い取るという形がとられました。
優先株は、配当や倒産時に残余財産の分配を優先的に受け取れます。
経営に参加する権利は与えられません。
カネは出すがクチは出さないというイメージです。
配当や残余財産の分配を遅れてしか受け取れない劣後「劣後株」 (復配株) もあります。
投資には不利ですが議決権は握れるため、普通株の発行が難しいときに経営者を対象に発行されます。
重要事項の議決を拒否できる権限をもつ 「黄金株」もあります。
買収阻止に効力があるとして近年 注目を集めています。
株を買うメリットは株主になればさまざまな権利を行使でき、また安く買って高く売るというという株を買う最大の楽しみである差額が利益を得ることです。
株主とは会社の権利の一部を保有する人ですから 会社が成長すると「権利」の価値も上昇します。
成長が期待される企業の株は多くの投資家が買いたいと考えるため、実際の価値を上回るスピードで株価が上昇していくことも珍しくありません。
株価が安いときに買っておいた株を株価上昇後に売却すれば差額が収益になります。
売却による収益を「譲渡益」 (キャピタルゲイン) といいます。
配当や株主優待をじっくり楽しむ 会社の収益の一部を「配当」として受け取ることも株主の権利です。
もともと株式の配当金は預貯金の利息よりも高いものと考えられていました。
預貯金に比べてリスクが高いため、リターンも高いのが当然というわけです。
配当による収益は「配当益」 (インカムゲイン) とも呼ばれます。
このほかに日本独自の制度として「株主優待」があります。
株主に新商品や優待券を贈ることで企業に愛着をもってもらい末永く株主でいてもらうことが狙いです。
企業の経営にも参加できる 株式会社の意思決定を行うのは株主総会です。
たった1株の株主でも出席できます。
取締役監査役の選任や解散 合併といった重要事項についても 株主投票を通じて意思を示す権利があります。
なかには経営権を握ることだけを目的に、多くの株数を保有する投資家もいます。
また企業が解散したときに株式の持ち分に応じて残余財産を受け取ることも株主の権利です。
株式会社の経営は多くの株を握る投資家の意見に動かされることになります。
その企業の株式を1番多く保有しているのが「筆頭株主」 です。
筆頭ではないものの、多くの株数を保有している株主は「大株主」と呼ばれます。
投資目的で大株主になるのが「投資ファンド」です。
短期で利益を得るために増配や資産の切り売りを要求するファンドもあれば経営を立て直した後に株式を売却して収益を得るファンドもあります。
事業法人による株の持ち合い 親密な企業同士がお互いの安定株主になることを「株の持ち合い」といいます。
会社の経営権を守るのが目的で、敵対的買収を仕掛けられたときには経営サイドに立つことで防波堤の役目を果たします。
株の世界ではと「機関投資家」「外国人投資家」というのがいます。
公的年金や企業年金生命保険、投資信託などの運用を手がけるプロの投資家を「機関投資家」といいます。
投資目的で株を保有しますが長期に渡って保有するケースが多いようです。
海外の機関投資家の場合は「外国人投資家」と呼ばれます。
米国の年金資金やアラブのオイルマネーも日本企業の株式を保有しています。
個人株主の力もあなどれないものです。
一人ひとりでは数株単位しか保有していない個人投資家も、大勢まとまれば大きな割合を保有することになります。
企業が株主の利益を損なう行為をすれば株主によくある代表訴訟を起こすことができます。
投資信託の取り扱いには積極的な銀行やゆうちよく銀行ですが株式には慎重な姿勢を守っています。
株の売買はネット取引が主流に「証券会社は入りづらい」「窓口に行く時間がない」という投資家の人気を集めているのがインターネットによくある取引 (ネット取引) です。
パソコンでリアルタイムに株価を確認しながら売買できる臨場感はネット取引ならではの魅力でしょう。
窓口での取引に比べて手数料が安いのも人気の秘密です。
ネット専業の証券会社も数多く設立され個人投資家の取引の約8割がネット経由で行われています。
携帯電話やコールセンターでも売買できる 日中は仕事で忙しい人に支持されているのが携帯電話による取引(モバイルトレード) です。
証券会社の取引ツールをダウンロードすれば株価のチェックから売買注文までできます。
仕事中にトイレにこもって取引するサラリーマンをトイレーダー″と呼ぶ流行語も生まれました。
ネットや携帯電話が苦手な人のために電話での「コールセンター取引」が行える証券会社もあります。
自己判断による取引するのとは違って証券マンと窓口で相談しながら注文する取引ができるのが特徴です。
手数料も窓口取引とネット取引の中間で設定され、意外と利用されています。
またセキュリティの問題から情報漏洩の少ないコールセンター取引を選ぶ人も増えています。
株は証券会社を通じて証券取引所で売買されます。
ですから証券取引所に直接注文は出せません。
個人投資家の注文は証券会社によくって証券取引所に取り次がれ他の投資家の注文と出合うことで売買が成立します。
よく「証券会社で株を買う」という言い方をしますが証券会社自身が株を売っているわけではありません。
証券取引所に注文を出せるのは証券取引所の正会員である証券会社に限られているため 個人投資家が証券取引所に直接注文を出すことはできません。
売買が成立したら取り消しは不可能 株の売買注文は「○○の株を××株買いたい(売りたい)」と出すのが基本です。
「〇〇円で」と指定した値段で取引する「指値注文」と「指値注文と価格を指定しない 「成行注文があります。
売買が成立することを「約定」といい 約定前なら注文の取り消しもできます。
すでに約定した取引は支私いや株券の受け渡しを行う義務があります。
約定した株の代金をやりとりするのは4営業日目です。
証券会社が営業する平日だけを「営業日」として数えるため 売却した株の代金を受け取るまでに1週間ほどかかります。
現金で売買をする「現物取引」のほか一定の証拠金で売買をする「信用取引も利用できます。
売買できるのは上場企業の株だけで証券取引所を通じて売買できるのは証券取引所に上場している企業の株です。
かつては「上場企業」といえば大企業の代名詞でしたが最近ではM&Aや投資ファンドが大株主になることを嫌って自ら上場廃止の道を選ぶ企業も出ています。
株には株式分割というものがあります。
株数は増えても会社の価値は変わらない分割により保有している株数が増える「株式分割」とはすでに発行されている株式を分割して株式数を増やすことです。
分割割合は企業が決めることができ 1株を2株に分割することを「1対2分割」 1株を10株に分割することを「1対10分割」といいます。
株数が増えたからといって会社の利益が増えるわけではありません。
1株が2株に分割されれば、1株当たりの利益は2分の1に下落します。
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